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<今回の独占禁止法改正法案について>
1.「課徴金算定率の引上げ」について
大企業による談合・カルテルは違法であり、これが中小企業にとって大きな経営圧迫の要因ともなるものであり、厳正に対処すべき。
違法行為をもって利益を上げようとする企み自体が大手を振ってまかり通ることは決してあってはならない、犯罪を犯すことで得をするということを許してはならない。
このため、制裁措置としての抑止力を強くすることが必要。
中小企業に対する課徴金の引上げ幅は、大企業に対する引上げ幅よりも緩和されたものとするなどの配慮があり、評価。
さらに、違反行為を早期にやめた場合には算定率を軽減し、繰り返し違反行為を行った場合には算定率を加算することも妥当。
ただし、公正取引委員会の摘発を受けた企業数をみると、公共工事の入札を巡る談合事件が多いせいか、圧倒的に中小企業が多い。
談合、カルテルで摘発を受けると、営業利益率が低下してきている、体力のない中小建設業者にとっては、これが直ちに倒産につながりかねない。
このため、公正取引委員会には、厳正で、公平公正な運用に努めていただくことは勿論であるが、中小企業者の中には、大企業が摘発を逃れているのではないか、弱いところばかりが狙い打ちされているのではないか、といった不信や不満もあるので、そのような点についても十分な配慮が必要。
2.「課徴金減免制度の導入」について
課徴金減免制度(リーニエンシー制度)を導入することについては、日本において果たして馴染むものか、という懸念はあるものの、談合は密室で行われることが常であることから、非常に把握しにくいという実態があり、これに対応する手法として導入されることもやむを得ないのではないか。
各企業の法令遵守(コンプライアンス)体制を整備することは極めて重要な課題。中小企業といえども正面から取り組んでいかなければならない課題。
3.「犯則調査権限の導入」「罰則規定の見直し」について
今回の改正によって、国税庁や証券取引等監視委員会のように、公正取引委員会が「犯則調査権限」を持ち、犯罪事実の立証に必要な証拠を収集することが可能となり、検察庁への引き継ぎも可能となることによって、刑事告発の手続が円滑に行えるようになると聞いており、刑事罰のある行為の禁止規定の実効性確保のために有効な措置であると考える。
また、罰則規定を見直し、中小企業に不当な不利益を与える不公正な取引方法等の違反行為に対する確定排除措置命令違反罪に対する「法人重課の導入」、「調査妨害等に対する罰則の引上げ・両罰規定の導入」は妥当な改正。
4.「審判手続の迅速化、簡素化」について
現在は、「公正取引委員会からの勧告が出され、これに応諾しないときには審判」という制度。
今回は、この現行制度を廃止し、公正取引委員会が違反行為であると認めた時点で迅速に排除措置命令を出せることとなるので、「不当廉売」、「優越的な地位の濫用」といった、中小企業に不当な不利益を与える「不公正な取引方法」に対する迅速な対応が可能となるものと評価。
5.「不当廉売、優越的地位の濫用」について
「不当廉売」、「優越的地位の濫用」等の行為は、激しさを増しているにもかかわらず、公正取引委員会が実施した排除勧告・警告・注意等は、多くの中小企業者が実際の商取引で直面している問題のほんのわずかな部分に過ぎない。
とりわけ、不当廉売については、特定の業種の特定の大規模小売業者が常習的に繰り返す事例が後を絶たず、公正取引委員会の注意や勧告がかえって宣伝効果を持つなど、これら業者のいわゆるやり得になっているのが現状。
また、優越的地位の濫用についても、依然として、大規模小売業者から中小の納入業者に対して種々の要請が行われており、納入業者は、要請が自己に不利益なものであっても、要請に応じないと取引上不利になることを懸念して、受け入れざるを得ないのが実態。
傘下会員からは、不公正な取引方法が一向になくならない現状に対し、違反行為による被害が著しく競争秩序を侵害するものについては、文書提出命令を導入するなど、制裁措置を強化すべきだという意見も上がってきている。
このような状況や取引実態があるにもかかわらず、公正取引委員会が行った不当廉売の注意件数、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法の法的措置件数は少ない状況が続いている。
これは、複雑化し、かつ、巧妙化している独占禁止法違反行為に、公正取引委員会やガイドラインが的確に対応できていない現われであり、早急に体制の整備、ガイドラインの改正等を行うことが必要。
また、景品表示法違反行為についても、複雑化、かつ、巧妙化し、1件当たりに要する処理時間が長期化する傾向にあることから、早急に体制の整備を図ることが必要。
これらの問題は、我々中小企業団体の悲願であって、毎年、中小企業団体全国大会で決議し、要請するものの、その声は届かず、改善は遅々として進んでいないのが実態。
中小企業者に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法に対し、国は、監視・監督体制を強化するとともに、厳正、かつ、迅速に対処すべきであると強く訴えたい。
今回の改正案においては、不公正な取引方法の違反行為に対しては、確定排除措置命令違反罪に係る法人の刑事罰の罰金額を引き上げることとされており評価。
さらに、(1)不公正な取引方法等に対する課徴金制度の導入等の制裁規定の強化など独占禁止法の措置体系の抜本的な見直し、(2)中小企業等に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法を厳しく規制する効果的な措置の導入、について早急に検討を開始し、実施に移していくことが必要。
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