全国中小企業団体中央会

応援します。組織で伸びる21世紀の中小企業

イメージ

 

全国中小企業団体中央会

 

サイトマップサイトマップ

HOMEHOME

 

 

◎ 「会社法制の現代化に関する要綱案」の決定について            (全国中央会)

 

 

12月8日(水)、法制審議会会社法(現代化関係)部会において、「会社法制の現代化に関する要綱案」が決定された。

今後、法制審議会総会における要綱の決定を受け、法務省において法案作成作業を進め、閣議決定後、平成17年の通常国会に法案が提出される予定で、法律の施行は、平成18年4月1日を目指すこととなる見込みである(注:10月1日となる可能性もあり得る。)

本会の同要綱案策定過程における主張の要点は、「我が国株式会社法制をその最大のユーザーである中小企業の実態を踏まえてドラスティックに規制緩和を行い、資本金額制限の大幅な緩和、定款自治の拡大、機関設計の自由度の拡大など、少なくとも有限会社並みの規制とすべきである。」というものであったが、概ねこの主張が実現する方向で取りまとめられており、主な項目は以下のとおりである。

(注:会社法(仮称)、会計参与(仮称)、合同会社(仮称)の「仮称」は、法案の閣議決定がなされるまで変更されることがあり得る。)

 

 

(1)株式会社と有限会社の規律の一体化

現行法における株式会社・有限会社について、会社法(仮称。以下同じ。)においては、同一の規定を適用する。なお、会社法施行後は、株式会社、合名会社、合資会社及び新たに設けられる合同会社のいずれかの設立となり、有限会社の設立は認められないこととなる。

@ 株式会社の機関設計の自由度の拡大

株式会社の機関設計については、株式を第三者に譲渡する場合には取締役会の承認を要することとしている会社(株式譲渡制限会社)であって、株主総会(オールマイティで全てを決定する)と取締役(1人で足りる)で構成されるものを基本型とし、ここを出発点として、取締役会、監査役、報酬等委員会、会計監査人などを選択していくことができるものとする。

A 会計参与の創設

株式会社は、定款で、会計参与(仮称)という会社の機関を設置することができるものとし、公認会計士(監査法人)・税理士(税理士法人)をもってこれに充て、取締役と共同して計算書類を作成することができる。

B 取締役等の任期

取締役・会計参与の任期は原則2年、監査役の任期は原則4年とし、定款でそれぞれ10年まで伸長することができる。

 

(2)既存の有限会社の扱いについて

会社法施行後は、株式会社、合名会社、合資会社及び新たに設けられる合同会社のいずれかの設立となり、有限会社の設立は認められないこととなる。

現行の有限会社法に基づいて設立された有限会社については、有限会社として存続することを望む場合には、強制的に新たな株式会社に変更させられることはないが、会社法施行後も、引き続き従前の規律を維持するための所要の経過措置については、法制的な整理について法務省においてさらに検討が続けられることとなっている。

 

(3)会社設立時の最低資本金規制の撤廃

新たな株式会社設立時の最低資本金額については、現在の1,000万円を撤廃する。

また、最低資本金撤廃の場合において、法人格濫用防止の観点からの措置については、商法266条ノ3(取締役の悪意重過失の場合の第三者に対する損害賠償責任)等による取締役等の責任の追及及びいわゆる「法人格否認の法理」の運用により保護するものとし、新たな特別の制度は設けない。

なお、設立時における払込価額規制は撤廃するものの、資本金の額にかかわらず、純資産額が300万円未満の場合には、剰余金があってもこれを株主に分配することはできないという財源規制が置かれることとされている。これは、株主よりも弁済順位が優先する会社債権者に一定額の財産を残しておかなければ、株主が会社財産の払戻しを受けることはできないとする主旨の規制であり、純資産額が一定の金額未満の場合には、剰余金があっても分配することができないとする措置である。

 

(4)新たな会社類型の創設(「合同会社」(仮称)=日本版LLC)

社員の有限責任が確保され、会社の内部の関係については組合的規律(原則として全員一致で定款の変更その他の会社の在り方が決定され、社員自らが業務執行に当たるという規律)が適用され、会社の外部との関係については有限責任制が担保されるという特徴を有する新たな会社類型(「合同会社」(仮称))が創設される。

これは、法務省の説明によれば、「創業の活発化、情報・金融・高度サービス産業の振興、共同研究開発・産学連携の促進等を図るため、出資者の有限責任が確保され、会社の内部関係については組合的規律が適用されるというような特徴を有する新たな会社類型」とされている。

なお、本制度の主要な眼目である構成員課税(税金のパススルー=法人には課税せず、構成員に対して課税)については、法制度が整ってもこれに対して税制措置がとられるか否かについては未定であるが、法人税制全体の根幹に触れる問題であるため否定的な観測が強い模様であり、「税制措置如何によっては、合同会社の設立が進まないことも考えられる。」(法務省)としている。

 

(5)有限責任事業組合(日本版LLP。民法組合の特例)創設の動き

法制審議会における会社法制現代化のための法案準備とは別に、経済産業省において、民法組合の特例として有限責任事業組合(LLP=Limited Liability Partnership)を日本に導入すべく、平成17年の通常国会への法案提出を目途に、現在、「有限責任事業組合制度(日本版LLP)に関する研究会」において検討が続けられている(非公開。経済産業省のホームページに議事録掲載)。

経済産業省では、有限責任事業組合制度の創設により、有限責任、内部自治、構成員課税(パススルー)を兼ね備えた組織を整備し、@産業再編支援(素材産業の設備共同集約事業等)、A研究開発促進(半導体回路の共同研究開発、TLO自身の事業体等)、B高度サービス産業振興(現行、弁護士法人、監査法人は合名会社、弁護士事務所、会計士事務所は民法組合で無限責任。有限責任の要望あり)、C個人創業、共同創業の振興(農業生産法人、コンビニエンスストアの個人事業主の組織体等)などで活用されることが期待できるとしている。

なお、11月25日に内閣総理大臣に提出された政府税制調査会の平成17年度の税制改正に関する答申において、「今日、法人形態に限らず、多様な形態による事業・投資活動が行われるようになっているが、こうした中で、組合事業から生じる損失を利用して節税を図る動きが顕在化している。このような租税回避行為を防止するため、適切な対応措置を講じる必要がある。」との指摘がなされている。

この答申に至る議論の中では、民法上の組合としての任意組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合や商法上の匿名組合が具体例として検討されていることから、同答申は、LLCやLLPに対するパススルー課税(構成員課税)を認めないことを表明しているものと思われる。

 

 

【参考】中小企業が使いやすい会社法制が実現することを高く評価

〜「会社法制現代化要綱案を評価する(会長所見)」発表2004.12.10 全国中央会)

http://www.chuokai.or.jp/hotinfo/j-041210a.htm

 

 

 

All Right Reserved by 全国中小企業団体中央会